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保険見直し

 保険の見直しは、保険会社の外交員から進められる場合もあれば、自分で見直しの必要性を感じてファイナンシャルプランナーなどに相談する場合もあると思います。そのキッカケがどうであれ、見直しを行うときの基本的な手順や手法はとても大事です。手順を間違えると無保険状態になってしまうこともありますし、手法を間違えると、望み通りの保障にならないばかりか、大損をしてしまうことさえあります。生命保険と医療保険を例にして順を追って確認してみましょう。


※保険の見直しへのアドバイスは、保険契約者の家族構成や経済環境などで加入形態が千差万別ですから、皆さんに同一に「これが一般的ですよ」と言うことはできません。加入中の保険商品の証券を拝見し、契約者(被保険者)のライフスタイルや希望などを聞かせていただきながら、個別に具体的なアドバイスを行うことになります。ご希望があればご連絡ください。




保険見直しのポイント


 終活を前提に保険の見直しを行う場合は、概ね下図の②セカンドライフ準備期間に行う作業だと思います。この期間の特徴は子育ても終わり、必要生活資金は多少の差があるにせよ減少している期間です。また一方では収入が減少する期間とも言えます。収入が年金のみという方もいると思います。したがって保障内容を充実させる見直しではなく、保険料負担を軽減させるための見直しが柱になります。

ライフステージ図

 上の図は、一般的なご家庭のライフステージを横軸に並べたものです。多くの方は①の子育て期間に「万一のときの保障」を考えて保険に加入されます。世帯主や配偶者に万一のことがあった場合、以後の子どもの教育費はどのくらい必要なのだろうと考えます。また、アクシデントや病気などで働けなくなれば、治療費がかかり収入は減少する。そんなときの備えも必要だと考えて収入保障保険に加入した方もいるでしょう。そのほか配偶者の保険もあるかもしれません。見直しが必要ですね。


子育てを終えたら、子育てのときに備えた保険の保障内容で、必要の無い部分をそぎ落とし、必要な保障だけに変更(見直し)する。

 まずは定期保険(定期保険特約)をチェックしましょう。定期保険ですから定められた期間だけ有効な部分です。保険料を払っていても、いつかは無くなる保険ですね。以下、保険見直しのポイントを3項目挙げます。


  • 定期保険(定期保険特約)、収入保障保険のチェック。解約してもいい場合は解約。将来の死亡保障の準備が不十分であれば、定期保険から終身保険へ変更。一般的に健康でなければできないのですが、一部の定期保険は保険期間終了前に、健康状態によらず終身保険に変更できるものもあります。
  • 医療保険は、健康保険3割負担、高額療養費制度を考慮に入れて、保障過多になっていないかチェック。健康保険が適用にならなかったガン治療でも、徐々に健康保が適用されるようになってきました。かつて自費診療だった高度医療でも、健康保険の対象になる範囲が広がってきています。また、年収によって高額療養費制度で最高自己負担額が違うので、その負担額を調べ、民間医療保険で1カ月間いくらの給付金があればいいのかを計算し、給付日額の設定を見直す。また、近年は入院をせず仕事を継続しながら、通院治療を行うケースが多くなっていますので、入院給付金ではなく治療給付金に変えることも良いと思います。
  • 万一の時は「いくら、誰に」受け取ってもらえばいいのかをチェック。死亡保険金は自分が受け取るのではなく、家族の誰かが受け取ることになる。葬儀費用程度にするか、相続対策にもするかなどを検討してみる。

ほかに養老保険もありますが、これはやがて自分が受け取る保険ですので、見直し順位は低くなります。



見直し後の保険


保険の形

※上図:縦軸=保障金額 横軸=加入からの期間 塗りつぶし部分=解約返戻金


▷▷終身保険にしましょう
周知のとおり、人が万一を迎えるときが決まっているわけではありません。しかし必ず訪れるのが「死」でもあります。平均寿命というのはありますが、それ以上長生きする方がほとんどではないでしょうか(平均余命の観点から)。最後のとき保険が残っていなかった。というのでは少々不安ですね。残すべきは上の図の終身保険です。まさに「身が終わる」まで続く保険です。医療保険も終身医療保険にしましょう。


▷▷高額な死亡保険金は控える
死亡保険金は葬儀代程度と考えればさほど高額な保険金は必要ないと思います。また、相続対策と考えるならば、受取人を誰に(変更)するかが大事です。なお、加入中の終身保険があって保険料負担が大変な場合は、「払い済み保険」にするか「一部解約」するなどの方法もあります。この場合解約返戻金を受け取ることができる場合があります。


▷▷高額療養費制度は心強い制度
医療保険の入院給付金、手術給付金などの給付金を見直す場合は、下図の高額療養費制度の扱いを理解して見直します。

 例えば69歳以下で年収350万円の人が1カ月間の長期入院した場合。健康保険適用部分の支払いが20万円であったとしても、高額療養費制度が適用になり、57,600円の支払いで済みます。仮に入院給付金日額5,000円の医療保険に加入していたとすれば、保険給付金として150,000円受け取れますから、十分に足りることになります。さらにこの負担額は世帯ごとに合算できますし、70歳以上の方はさらに負担軽減が図られています。


▷▷昔加入した終身保険は大事に!
 1990年より以前に加入した終身保険は、大事にしてください。いわゆるバブルがはじける前の積立利率は非常に高く、配当金があったり解約返戻金がたくさん受け取れるものがほとんどです。保険会社の担当者から見直しましょうと言われてもキッパリ断ってください。


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 終活の観点から、必要部分を残しつつ保険料負担を抑えるためのポイントと、見直し後の保険について書いてみました。既に加入している保険の内容がどんなものなのか、そして老後はどのように生きていきたいかなどで、見直し方に違いがでてきます。保険証券をお持ちになって来所いただければ、その場でアドバイスいたします。


(文責:ファイナンシャルプランナー藏本光喜)